今日は巨大な電子レンジみたいなものに入った。MRIと呼ばれる磁気を利用した撮像システムだが、デザインは「2001年宇宙の旅」の内装みたいだ。
その他CTにしても、白を基本としてアール(曲線)でデザインされている医療機器は多い。それ自体は清潔感があり、有機的で、SF的だ。
しかし、先に挙げた「2001年宇宙の旅」を知っている私としてはその奥にいるAIのHALの存在を想像し、多少不気味でもあったりする。
金属を身に着けていないことを何度も確かめられ、白いベットの上に横たわると、色々処置されてチューブ状の測定器の中に入っていく。
MRIはその機能上、測定時に結構大きな音が出る。それ以外にも、なにかのぶつかるようなノイズ音が定期的に出ていたりして、真っ白な清潔感のある部屋との違和感が大きい。
撮影時には更にいろんな音がする。
グガガッガッガガガ グギ、ッガガガガガガガ。
それを和らげるために被験者にはヘッドホンが渡されオルゴール的BGMが流れてる。概ねビートルズの曲だった。そこにオペレーターの声が被さり、撮影の指示が出る。
「はい、息をすってぇー、はい、吐いてー、しばらく止めます。はい、楽にしてぇー」
最初、この「楽にして」というのがわからず、息止めたまま体の力を抜いただけだったが・・あ、息もしていいんだと途中で理解して普通に呼吸する。
撮影には20分程度かかる。このチューブの中に20分入っているというのに耐えられないという人も居るらしく右手には、エマージェンシコールのボタンを握らされている。
それは確かに異次元的体験なのであって、その非日常を不快だと感じるのはまともな感性なのかも知れない。