フリーランスの作り方。フリーランスになるには?

「あ、そーだ。君音楽作れるんだったよね。今度番宣用の曲必要なんだけど。やってみる?」

「はい、やります。」

この頃には、Brain Weather Project の方も2本目自主制作テープの制作に入っていたが、1本目を作った時点で、ある意味自分の中ではリハビリとしての音楽は終わっていた。何かを無くした穴埋めとしての音楽。それは止むに止まれず作ったものであったが、その先は見えていない。

その状態で、「音楽を仕事にする」という新たな局面が訪れたのだ。これ以降、年間にすると相当数のCMソングを作る羽目になっていく。

先にも書いたが、その頃の私自身は、音楽の基礎的知識さえ持ち合わせていないし、楽器も殆ど弾けない。しかし、「やる」と言ってしまったのだ。しかも、CMソングというのは、簡単ではない。

自分のやりたい音楽なら誰にだって出来るが、クライアントやディレクターの望むスタイルの曲を作らなくてはいけない。

例えば熊本日日新聞社の「みなよむにっこり」というCMソングを作ったとき、ディレクターの吉崎さんから言われた。

「今回は、ハワイアンかカントリーで行きたいんだよね。」

「あ、分かりました。ハワイアンかカントリーミュージックですね。」

全然わからない・・・・ハワイアンなんか真面目に聞いたこともない。分からないのだが無理やり作る。七転八倒しながらつくる。

「があああ、出来るわけねええだろー。ハワイアンなんて無理だー。どうせ、俺には才能無いんだ!!だめだ、おれはだめ人間だー」

などと叫びながら作る。

まずは分析だ。ハワイアンの音源を探してきて、ベースラインのパターンとバッキングのパターンを分析する。

「あー、ベースはこう言う風に動いてるんだ・・コード進行はこのパターンか・・じゃあ、歌詞はこれだから、このサブメロをこっち持ってきて、メインメロディーをこの曲からパクって・・・」

そーすると案外出来たりする。無理して作るので、そのズレみたいなものが逆にインパクトに繋がることがある。ディレクターもそれを狙っていたらしい。

勿論、この頃はまだ写真屋だから、昼間は作曲の仕事は出来ない。そうなると寝る時間を削るしかなくなる。寝不足の毎日が続くのであるが、それでも楽しい。自分にできないと思っていたことがひとつづつ、出来るようになっていく。

そんなこんなで、番組製作、音楽製作と副業は増えていくのだった。


印刷