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とにかくある意味全ての制作が新しい挑戦の繰り返しみたいなものだったので、毎日がイノベーション。仕事はどんどん増えていく。基本的にこれは無理だと思われる仕事を実現化していく。どこにその接合点を見つけ、どういった方法論で実現させるのか?毎日が戦いである。
しかし、スリーアイ時代は、あまりにいろんな事があったため、逆によく覚えていないし、くどくど書くのはやめておこう。そして、徐々に事業が拡大していくのと同時に本当の意味で拘束され自宅にも帰れなくなる事態に発展する。
水前寺に事務所を移転した時も、家に帰れず、良く風呂場で寝ていた。タイル張りの風呂場に、キャンプ用の薄いマットを敷いて寝るのだが、冬場は厳しい。
タイルというのは木に比べても熱伝導率が高い。熱伝導率が高いということは、逆に体温も奪う。うつ伏せや仰向きで寝てはいけない。接地面積が広いから体温を奪われ凍死してしまう。横向きで寝るのが正しい寝方だ。
そうやって、過ごしているうちに徐々に疑問が湧いてきた。
”果たして、この仕事は自分が望んだものだったろうか?”
事業というのは起業時が一番面白い。その後やってくるのは継続のための努力だ。つまり、クリエイションという観点からすれば最初はクリエイティブでも段々会社を回すための作業が増えてくる。そうなってしまうと、クリエイティブの面白さは半減する。
勿論。サスティナビリティーを意識出来ないなら、会社も存在出来ない。それを、ちゃんと役割分担できればいいが、数の問題もあって、そううまくは行かないだろう。
スリーアイに入社して2年目の終わりの冬、ある出来事が起こった。