当時はまだ4人位だったが、それでも新しいことを始めるという気持ちでみんなワクワクしていた。私もそうだった。実家を飛び出し、新たな仕事を始める事で本当の意味での自立も出来そうな気がしていた。
とにかく楽しかった。いろんな仕事をその中で作り上げながら事業を拡大していった。ある日新しいメンバーが増えるということで挨拶に来た。
「どうも、はじめまして吉良と申します。明日から営業の担当させていただきます。」
真面目そうな挨拶だったが、ちょっといたずら心が浮かんだ。
「처음 뵙겠습니다. 나는 아사카와라고합니다. 앞으로도 잘 부탁드립니다.」
嘘の韓国語で返事を返した。韓国語なんて知らない。
「え、あ、あの、韓国の方ですか?」
「わたし、韓国の釜山から来ました。부산은 어항에 물고기가 맛있습니다.・・・」
全く嘘だ。相手は完全に言葉を失っている。さすがに可笑しくなって、大笑いした。
「ごめんごめん。はじめまして、浅川です。日本人です」
そうやって、仲間は増えていった。
スリーアイの時の仕事の仕方は、ちょっと特殊だったかも知れない。ある日佐藤社長が言った。
「みんな!新しい仕事とれたぞ!アニメーションの仕事だ!」
「オッケー、で?誰が作るの?」
「そりゃ、浅川さん達ですよ!」
「おおおお、メンバー誰もアニメーションの経験ないぞ!」
「大丈夫ですよ。浅川さんたちなら作れますよ。だって、もう受注しちゃったし」
こんな感じだ・・・・そうして出来たのが、味千ラーメンのアニメだった。イラストレータの村井健太郎さんに原画と基本ストーリーをお願いして、それを元にFlashアニメーションを作成、半分くらいアドリブで声録りして、仕上げていく。
ちなみに声優が足りなくても自分でも味仙人の声をやっている。