この時期、山々の紅葉が美しい季節となりましたが、カメラで撮影するとなんだか色が変だと思われたことはありませんか?
カメラにはホワイトバランスと言われる設定があって、それが対象の景色を照らしている光が、昼間の太陽光なのか、曇った太陽の光なのか、白熱電球の光なのかといったことを決めています。それらをカメラが自動で判断することをオートホワイトバランス(AWB)と呼びます。
その基準の光に応じて全体の色味を出すのですが、いつも正確であるとは限りません。実際の光源の色を間違って判断することもあるのです。
例えば上記の写真の様に青みが強すぎたりします。これはどうしてでしょう?ちょっとカメラの身になって考えてみます。
「あのさぁ、今撮影している写真って赤っぽい物が多いよね。これ何・・えっ・・紅葉って言うの・・でもさ、俺には紅葉なの何なのか分かんないのよね。だからさ、俺の場合、全体的に平均的な色のバランスにしようと努力するわけ。ということは赤や黄色が多すぎたら当然反対の青色増やすでしょ。だから人間様の印象とは違う色になる訳。」
このため、一般的な撮影であればオートホワイトバランスは有効ですが、環境が特殊な場合は手動に切替えて撮影すべきです。
デジタルカメラにおける紅葉撮影のホワイトバランス
上記のような仕組みですので、紅葉などの写真を撮影する場合、基本的にオートホワイトバランスは使いません。基本は太陽光に合わせます。日陰などでは更に日陰の太陽光の設定に変更しますが、赤みを強調するために順光でも日陰の太陽光で撮る場合があります。この辺は現場での判断になりますが、RAWで撮っておけば後でどうにでも成ると言うのは間違いです。
よく、RAWで撮影すれば後々編集のときに調整が効くという人がいますが、私の経験上色調にフェリア(色の偏り)がある場合やはり正常な色に戻すことができなくなる事があります。
それは例えば白熱球の光源を太陽光設定で撮影すれば、全体はオレンジになります。このオレンジという状態の中で各色の違いが記録されますので当然それらの色のレンジは圧縮されます。これを無理やりもとの色に戻そうとしても情報が少ないために戻りません。
従って、RAWでの撮影であっても、光源の色に合わせた設定での撮影が必要です。
この基本の撮影ができれいれば、積極的なカラーグレーディングが有効になります。
それでは撮影時の基本的な考え方をまとめてみましょう
紅葉撮影時のホワイトバランスの設定
- オートホワイトバランスは使わない
- ホワイトは太陽光ないし日陰を使う
- 風景撮影時はRAWでの撮影が基本
これは直接的にホワイトバランスとは関係ないわけですが、基本的に色数を減らすことで圧縮しているJPEGでの撮影は風景に向いていません。更にダイナミックレンジ(明暗の幅)も狭いために後々の加工が難しくなりますのでこの点でもJPEGでの撮影はあくまでもバックアップ的なものだと考えてください。ただだからといってJPEGでの写真がだめだとはいい切れません。メーカーがそのカメラの特性を知った上で現像されているJPEGに場合がRAWから作った絵よりも良い場合もあります。
また、もう少し進化してホワイトバランスを色温度で設定する場合もあります。この色温度とはケルビンという単位で構成されており光源の色のバランスを数値化したものです。なれてくればこの色温度で設定したほうが安定した色調になります。
iPhoneでの紅葉撮影に関して
スマートホンで紅葉を撮影する場合どういった点を気をつければいいでしょう?前記のホワイトバランスは同じ様に手動にすべきですが、それ以外にも気をつけるべきことはたくさんあります。このため今回はこのページでは説明せずリンクにて紹介させていただきます。
ただ、撮影のための無料カメラへのリンクも張っておきますので、そちらを参考にご利用ください。(有料アプリにはもっと高機能で使いやすいものもありますが、下記は気軽に試してもらうために無料のカメラアプリを紹介します。)
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