この熊本県美里町にある二股橋は約190年くらい前に作られたようだが、その当時はこのような銀杏の木もなかったのだろう。時代を経て銀杏の紅葉と石橋の対比が美しい。
熊本の情景の美しさは、その時期によっても様々であって、逆に言えばその時期でなくては見ることのできない景色も多い。それこそ四季の中で移り変わる時間を感じる瞬間だ。
美しさとは我々の存在を超えた秩序であるともいえるが、秩序そのものが美しいのではない。混沌の中に現れる一時の超越が時間や空間を超えた何物かにつながる瞬間。それを美しいと呼ぶのだ。
その美しさは、単に整然とした繰り返しではなく、繰り返しつつもそのディティールは無意味に存在し、フラクタルな律動を備える。
美と醜は混然としてそこにある。
我々はその圧倒的な意味と無意味さに感嘆し打ちのめされつつ、希望を感じている。悠久の時を過ごした人類はそうして私の存在を確かめつつ、私が消える瞬間を待つ。
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