11月20日 22:25 今日のガドガドは少し変だった。

今日のガドガドは少し変だった。ユミツエワンと入れ替わりにやってきて、タダでもいいのでマッサージをさせて欲しいと言ってきた。

「なんだよガドガド。珍しいじゃん。無料でもいいなんて。」
「なにいうか?私とあなたの仲じゃないか。たまにはお金なんてなくてもマッサージするよ。最近あなた疲れ気味。」
「ところで、今ユミツエワンはどこなの?」
「あ、占いのお客さん来たから出ていった。」
「そうか・・ちょっと用事があるので電話しないと。」
「電話はやめたほうがいいよ。今占いしている。」
「そうか、でも急ぎの用事なんだよ。」
「お客さんは大事。電話はだめよ。」

どうも歯切れが悪い。以前からの疑惑の一つ、ガドガドとユミツエワンが同じ人物であるという思いを拭い去ることが出来ない。

「そうか、じゃあ後で電話してみよう。ところでいくつか聞きたいことがあるんだが、聞いてもいいか?」
「いいよ」
「君は、なんで日本に来た?」
「それはあなた知ってるね。インドネシアで暴走族から追われて逃げてきたよ。」
「本当にそうなのか?」
「本当よ。」
「日本語は北朝鮮で習ったと言っていたが、それはいつなんだ?」
「若い時よ。ママのお店に来た外国人に騙されて北朝鮮連れて行かれたよ。わたし、そこで日本語習ったね。そのあと、喜び組にはいって、日本に来たとき一回逃げ出したよ。でも、日本では亡命認めてもらえなかった。だから、苦労してもう一度マグロ漁船に忍び込んでインドネシアまで帰ったのよ。でも、こんな事あまり話したくないね。昔の悲しいこと思い出したくない。」
「そうか、しかし、知りたいんだ。君がどこから来てどこへ行こうとしているのか?」
「私どこにも行かないよ。」
「あなたのそばにずっといるよ。ユミツエワンもいいと言ったよ。」
「それは無理だよガドガド。ユミツエワンは私の妻だが君は妻ではない。」
「だったら私も妻になるよ。」
「何言っているんだよ。あははは、日本じゃ妻は一人って決まっているんだよ。」
「笑うの良くない。私真剣よ。」
「まてまて、そんな馬鹿なこと言っちゃだめだ。」

揉んでいるガドガドの手が止まった。私は体を起こし彼女の方をみた。彼女の目からは一筋の涙が流れていた。