昨夜、シン・エヴァンゲリオンを観てきた。もともとそれほど好きということでもないけど、それでも一つの時代を作ったと言える作品は観ておかないと。
基本的にTVシリーズから先の3部作まで観ている。その中で展開されている世界観は現実からはみ出している庵野秀明監督の精神世界の投影であることは間違いない。そのはみ出した部分を今回のシン・エヴァンゲリオンでは終わりにした。(というよりナシにした)
それはもう、庵野秀明のリハビリなのかもと思う。
多くの作品は妄想から始まる。その妄想は次第に膨れ上がり、最終的には崩壊していく。その崩壊劇がエヴァンゲリオンなのでもあって、それをエンタメとして成立させた庵野秀明はやはり天才だと言えるだろう。
テレビシリーズでは、人間の存在意義みたいなものを暗示する最終回から劇場版を経て生命の存在に言及したその作品は、巨大ロボ(ロボじゃないけど)アニメとしては異質であり、私の知る限りイデオンなどと同系のアニメかも知れない。
エヴァンゲリオンのTVシリーズでもこの生命の存在のあり方というテーマはそのプロットに組み込まれていて、それがTV枠に収まらないことで、劇場版が作られたと言えるだろう。
その共同幻想はすなわちファンタジーであるから、受け手である我々はその世界観に翻弄されつつもなんとか理解しようとするインタラクティブ性が生まれた。
実際エヴァンゲリオンから生まれた解説や分析のウェブや書籍は非常に多い。
なにしろ根本にあるテーマは普遍的なものだから、それに気がついた受け手はのめり込んでいく。そして答えのない問いかけに右往左往するのがエヴァンゲリオンだろう。
だからなんというか今回のシン・エヴァンゲリオンの感想は、
「庵野秀明さん。ご苦労様でした。ありがとうございました。大変でしたね。」
だなぁ。