フルーツゼリーを買ってきたのが功を奏してガドガドさんがやってきた。
「お客さん。今日は顔マッサージしますよ。馬油塗りますか?」
「顔に馬油・・ちょっと臭いかな。」
「じゃ、ココナッツオイルにします。」
「ココナッツオイルあるなら最初から使ってよ。」
小声で
「ココナッツオイル高いのに!」
しばらくもんでガドガドさんが言った。
「お客さん、もみあげが尾崎紀世彦みたいですね。」
「尾崎紀世彦・・古い・・よくそんな歌手の名前知っていますね。」
「実は、お客さんだけに教えますけど、私はフィリピン人じゃないんです。出身は北朝鮮でそこで日本語習いました。北朝鮮の教科書は古いので昔の日本知ってます。」
「北朝鮮・・それにインドネシア人じゃなかったけ?ガドガドさん。」
「いや、どっちでも良いんです。全部嘘です。」
少ししてマッサージに飽きてきたガドガドさんが言った。
「歌唄ってもいいですか」
「いいけど・・」
「もみもみ~♪ もみもみ~♪ ゼリーひとつで もみもみ~♪」
「ちょ、まてよ・・」
「もみもみ~♪ もみもみ~♪ ゼリーひとつで もみもみ~♪」
「何だよその歌・・」
「じゃあ、秋の歌唄います。」
「小さい秋、小さい秋、小さい秋、見つけたぁ⤵」
「音程下がって終わっとるやないかー!」
「じゃあ、一人林業します!」
「林業・・・・輪唱だろーがーーー!」
「かえるのかえるのかえるのかえるのかえるの♪」
「無限ループやないか!!!」
秋の夜は長いのであった。