よい音楽を作る為には、単にメロディーと伴奏、そして歌詞だけがその要素だと思っていはいけないでしょう。それらを組み立てる音そのものも重要な要素になります。
今日の音楽大学での授業は一定の繰り返しの音(シーケンスパターン)からメロディーラインを探る授業です。作曲の方法は色々ありそれらを沢山知っておくのも重要ですね。
私は以前テレビコマーシャルの音楽を作っていた時期がありますが、音そのものを作るのにもずいぶん時間をかけていました。
以前のシンセの音はシンプルでしたので、一つの音源だけで表現できる音には限界があり、それらにユニゾンで別の音をかぶせたり、アタックとリリース部分で違う音源を組み合わせたりしていましたが、そういった事をやったおかげで、音自体に関しての感性も養われたといえます。
そのため、一般的な音楽を聞いても、この音の作り方はどうなっているのだろう?などと考えてしまい、純粋に音楽を楽しめない場合も出てきますが、だからこそ分かることも増えたと思います。
何か、ものを作る場合、用意された素材だけで作るというのはもったいないです。出来る限り原始的な部分からやってみることで、理解が進みます。
例えば焼き物を焼いていたときも、いきなり商品の土を使うのではなく、周囲から使えそうな粘土を掘ってきて、使ってみました。当然、まともには焼けません。
耐火度がなくて溶けてしまったり、色が飛んだり、とにかく散々です。しかし、その失敗がそのままスキルに繋がるのです。
わざと失敗を体験するという事。
できるだけ効率的に物事を進めたいというのは分かりますが、それを優先するがあまり、見落としてしまうことも多いのではないかと思います。
効率も重要ですが、その前の「体験」はもっと大事です。